今から9年前の2013年に発表されたとある論文。
「10年後には今ある職種の約半分がなくなる」
この衝撃的な論文から9年経過した2022年の今、どれぐらいの職業がなくなったのでしょうか?
今回は、「今ある職種の約半分がなくなる」と言われて9年、99%なくなると言われた職業の今をご紹介します。
2013年に発表された衝撃の論文
「10年後、今ある職種の半分が消えてなくなる」
今から約9年前の2013年9月、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン教授(当時准教授)が発表した「職業の未来(THE FUTURE OF EMPLOYMENT)」という論文。
当時、話題になったことで記憶している方も多いのではないでしょうか?
参考:オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」(週刊現代) | マネー現代 | 講談社(1/5)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40925
IT技術が進化するにつれて、機械化やAI化が進み、今 わたし達人間がやっている仕事が機械やAIに取って代わってしまう。
そんなことが書かれたこの論文、全世界に衝撃を与えたのでした。
参考:THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? | Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne
https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
10年後に「なくなる職業」リスト
では、この論文の中でどのような職業が10年後になくなると書かれていたのでしょうか?
論文の中では、ランキング形式で将来なくなる職業が掲載されてますが、700以上もの職業が掲載されているので、99%の確率でなくなる職業のみリストアップしてみます。
99%の確率でなくなる職業
- データ入力係(Data Entry Keyers)
- 図書館職員(Library Technicians)
- 口座開設担当者( New Accounts Clerks)
- 写真現像作業者(Photographic Process Workers and Processing Machine Operators)
- 税務署職員(Tax Preparers)
- 貨物・運送会社社員(Cargo and Freight Agents)
- 時計の修理職人(Watch Repairers)
- 保険屋のオバチャン(Insurance Underwriters)
- 数学の専門家(Mathematical Technicians)
- ハンドメイド職人(Sewers, Hand)
- タイトル調査官、抄録作成者、調査員(Title Examiners, Abstractors, and Searchers)
- テレマーケター(Telemarketers)
以上、12個の職業が10年後、99%の確率でなくなる職業で挙げられていました。
さて、この12個の職業ですが、9年経った2022年の今、果たしてなくなっているのでしょうか?
次のチャプターでご紹介します。
9年経った2022年、どうなってる?
2023年には99%の確率でなくなっている12個の職業。
この中で、日本では職業として存在しない(?)タイトル調査官・抄録作成者・調査員と、数学の専門家は省き、残り10個の職業を見てみます。
なくなった:データ入力係
10年後に99%の確率でなくなる職業、1つ目は データ入力係。
従来 人がやっていた作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。
今、企業ではRPAの導入が加速しており、データ入力だけを専門とする職業は壊滅的に減ったのではないでしょうか?
わたしが勤める会社では、データだけ入力する職業は無くなりました。
よってデータ入力係は「10年で無くなった」判定したいと思います。
変わらない:図書館職員
10年後に99%の確率でなくなる職業、2つ目は 図書館の職員。
読書が趣味のわたし。
定期的に図書館に通ってますが、図書館の職員さんは普通にいますね。
なので、図書館職員は「変わらない」判定です。
ただ、世の中には本の自動貸出返却装置なる機械があるようですね。
参考:3Mセルフチェック自動貸出返却装置
https://robo-school.net/future-of-employment-wayaku/#101100
もしかすると数年後には無人化の図書館なども現れるかもしれませんね。
減った:口座開設担当者
10年後に99%の確率でなくなる職業、3つ目は 口座開設担当者。
一概に口座といっても、銀行口座や証券口座など、色々な口座がありますが、総じて言えるのは、職業としては無くなっていないけど、携わる職員さんの数は減ったのではないでしょうか。
以前であれば支店の窓口に行かないと作れなかった口座は、今ではネット銀行やネット証券会社であれば、インターネットから新規開設出来ます。
消滅することはないかもしれませんが、少しずつ減っていくことは間違いないでしょうね。
なくなった:写真現像作業者
10年後に99%の確率でなくなる職業、4つ目は 写真現像作業者。
20年・30年ほど前までは、写真といえばフィルムのアナログカメラで撮り、写真屋さんで現像してもらうのが当たり前でした。
それがデジタルカメラ、そしてスマートフォンの普及で急速に減った写真現像のニーズ。
カメラのキタムラなど、一部の写真用品店などでは、写真現像するお店はまだまだありますが、写真現像だけを職業としている方はほぼ居なくなったのではないでしょうか?
ということで、「なくなった」判定とします。
ある:税務署職員
10年後に99%の確率でなくなる職業、5つ目は 税務署職員。
IT化が進むにつれ、税務申告が簡略化され、税務署職員の方が不要になる。
もしかすると論文著者のマイケル・A・オズボーン先生はそう思って10年後に99%の確率でなくなる職業にリストアップされてたのでしょうか?
残念ながら日本においては、全く変わってませんね。
現在のテクノロジー技術としては税務職員の方は不要になりつつあるのかもしれませんが、制度・法律的に残ってるのかもしれませんね。
増えた:貨物・運送会社社員
10年後に99%の確率でなくなる職業、6つ目は 貨物・運送会社社員。
この貨物・運送会社社員、運送会社の事務員さんを想定しているのか?
ドライバーさんを想定しているのか?
不明ですが、ドライバーさんまで含めるとなると、減るどころか逆に増えていますね。
Uber Eatsや出前館、Woltなど、この9年間で新たに出現したフードデリバリー。
また、新型コロナウイルスの影響もあり、増えたネット通販の需要。
そう考えると、今後もまだまだ増えそうですね。
減った:時計の修理職人
10年後に99%の確率でなくなる職業、7つ目は 時計の修理職人。
この9年間で普及したスマートフォンとスマートウォッチによって、アナログの時計のニーズは減りましたね。
とはいえ、アナログ時計をしている人はまだまだ見かけます。
また、ロレックスなどの高級時計は今でも高額で売買されてます。
アナログ時計のニーズは減少すれど、職業としてなくなることはなさそうですね。
激減:保険屋のオバチャン
10年後に99%の確率でなくなる職業、8つ目は 保険屋のオバチャン。
数年前までは、ウザいぐらいにお昼休みに勧誘してきていた保険屋のオバチャン。
個人的には、この2年ほどですっかり見かけなくなりました。
新型コロナによって、接触を避けるのが当たり前になったこと。
そしてテレワークにより、そもそも出社しなくなったこと。
もしかすると、数年後には消滅する職業かもしれませんね。
変わらない:ハンドメイド職人
10年後に99%の確率でなくなる職業、9つ目は ハンドメイド職人。
配布や革製品、アクセサリなど手縫いで作るハンドメイド職人さん。
10年後の2023年には99%の確率で消滅する職業にリストアップされてましたが、現時点では職業として立派に存在するようです。
9年前と比べてハンドメイド職人が減ったのか?
増えたのか?
は分かりませんが、少ないとも2022年の現時点で人間が一つ一つ丁寧に縫って作った製品はニーズあるようです。
ということで、ハンドメイド職人は「変わらない」判定としました。
減った:テレマーケター
10年後に99%の確率でなくなる職業、10つ目は テレマーケーター。
最後、10個目に紹介するのは、電話営業のテレマーケーター。
我が家調査で言いますと、以前と比べるとかなり減ったような気がします。
年々減少する固定電話。
1年後の2023年にはまだ残っているかと思いますが、10年後の2032年には職業として消滅しているかもしれませんね。
結論:そう簡単にはなくならない
以上、2023年に99%の確率でなくなっている10個の職業について、現在の状況をご紹介してみました。
この論文は、イギリスのオックスフォード大学の先生が発表した論文なので、アメリカ・イギリスと日本を比べると結果は多少違っているのかもしれません。
また今回の結果は、あくまでもわたしの周辺範囲でのお話。
なので、既になくなっている職業や、逆に未だに存在している職業があるかもしれません。
ただ総じて言えるのは、ITが進化し、ロボット化・AI化が進んでも、そう簡単には職業はなくならないのではないでしょうか。
政治や制度的なこともありますし、ハンドメイド職人など、アナログの良さがもあります。
もしかすると、予想されている未来が来るのには、もっと時間がかかるのかもしれませんね。
さいごに
ということで、今回は 「今ある職種の約半分がなくなる」と言われて9年 99%なくなると言われた職業の今をご紹介しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
今回は10年後になくなる職業をご紹介しましたが、逆に10年後も残る職業の上位に医療従事者・介護従事者などがランキングされてました。
人の治療・介護に関わる職業は今後も無くなることはなさそうですね。
これから社会人になる学生さんや、新しい仕事をはじめようと考えている方。
今後の参考にしてみて下さいね!